望ましい生活習慣作りのために
「うちの子は出したおもちゃの後始末ができないんです。」,「うちの子は,テレビばっかり見て,なかなか宿題に取りかからないんです。」
教育懇談会の保護者面談で,こうした声をよく耳にします。確かに,子どもの生活習慣を望ましい方向にもっていくのは難しいですね。学校でも,「廊下は走らずに歩きましょう。」,「あいさつはしっかりしましょう。」,「掃除は時間いっぱいがんばりましょう。」ということを繰り返し呼びかけていますが,劇的な改善にはつながっていきません。強い口調で注意をすると,その瞬間はできるのですが,注意されないとしない子になってしまう可能性があります。
そこで,我々鳥羽小学校教員はどのような手を使っているか紹介しましょう。
鳥羽小学校では,4月から時間を守れない児童の多いことが課題になっていました。そこで,『タイムリーダー(時間を守ることを呼びかける役割の児童)』を学年輪番で設け,児童同士で互いに注意し合える関係づくりを進めてきました。加えて,今日から毎週金曜日に,毎時間の授業や掃除の開始時刻が守れたかどうかを集中的にチェックし,守れた時は児童玄関に貼ってある大きな台紙に守れた数だけシールを貼っていく取組を始めました。台紙には山のイラストが描いてあり,シールを貼ることによって少しずつ山を登っていくことができます。
その効果は絶大で,今日は学校中どの子ども達もどの授業でも,授業の開始時刻を守ろうとする強い意識が感じられました。山のシールは,初日ですでに3合目付近まで届いています。
この取組は,あと2回(1月20日と27日)あります。『シールを貼ることができる金曜日以外は守れないんじゃないの?』という声が聞こえてきそうですが,『あせらず,あわてず,あきらめず』が教育の真髄だと思います。こうした取組の繰り返しにより,時間を守れる子が育成できる,ひいては,時間を守ること以外の望ましい習慣形成にも波及する・・・,ということを信じてやっていきたいと考えています。
我が子の生活習慣改善に苦労しておられる保護者の皆さん。できない点を注意するのではなく,時にはできた点をほめ・認めるようにしてみてはいかがでしょうか?純粋な子ども達です。案外劇的に変化するかもしれません。(ちなみに,『保証』はありませんので,あしからずご了承ください。)